米油とは?特徴・健康面・使い方

米油のボトルと、稲穂・白米・米ぬかを並べた写真

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米油は、米そのものではなく、精米のときに出る「米ぬか」から作られる油です。クセが少なく、炒め物にも揚げ物にも使えます。

一方で、健康面ではオリーブ油やなたね油と何が違うのか、店頭の表示だけでは分かりません。ここでは、ほかの油と比べながら整理します。

米油は何から作られる?

米油の原料は、玄米を精米するときに出る「米ぬか」です1。

普段食べている白米をつくる過程で取り除かれる部分から、油を取り出して作られています。

ほかの油と何が違う?

オリーブ油は研究実績。
なたね油は脂肪酸構成。
米油は国産原料と米ぬか由来成分。

これが、3つの油を比べるときの大きな違いです。

  • オリーブ油:心臓・血管との関係を調べた研究が多い
  • なたね油:飽和脂肪酸が少なく、n-3系脂肪酸も含む
  • 米油:脂肪酸は中間的で、国産原料の商品が多く、γ-オリザノールなど米ぬか由来成分を含む

農林水産省も、米油を「国産原料による生産という点で、ほぼ唯一の油」としています3。

脂肪酸(油をつくっている主な成分)の違いは、下の図を見ると一目で分かります2。

オリーブ油、なたね油、大豆油、米油の脂肪酸構成比を比較したグラフ

米油ならではの成分

農林水産省は、米ぬかとこめ油について3つの成分を挙げています3。

γ-オリザノール

米ぬかに特徴的に含まれる成分です。農林水産省は「一般的な植物油には含まれていません」と書いています。米油をほかの植物油と分けている成分が、これです。

米ぬかに含まれるγ-オリザノールと、脂質・コレステロールとの関係を示した図

植物ステロール

コレステロールと似た構造を持ち、腸でのコレステロールの吸収に関係する成分です。植物油には広く含まれますが、農林水産省はこめ油に「とくに豊富に含まれている」としています。

トコトリエノール

ビタミンEの仲間で、酸化から守る働きが研究されている成分です。

では、これらを含む米油を実際に食べた人で、何が確かめられているのか。

健康面では何が分かっている?

人を対象にした研究では、米ぬか・米油をとった人で、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪が下がったとする解析があります4。いずれも健康診断の血液検査でおなじみの項目です。

2024年の解析では、11の比較試験・572人をまとめた結果、これらの血中脂質の改善が報告されました。

つまり米油は、「なんとなく体によさそう」というだけではなく、血中脂質については人を対象にした研究でも改善が確認されている油です。

毎日の調理油として使いやすいことに加えて、こうした研究結果があることも、米油が評価される理由のひとつです。

加熱調理には向いている?

米油は、炒め物や揚げ物など、普段の加熱調理に使いやすい油です。理由は、加熱への強さ・価格・風味のバランスにあります。

米油の加熱への強さ、価格、風味のバランスを示した図

加熱への強さは、熱に弱い種類の脂肪酸をどれだけ含むかで、ある程度決まります。その割合で並べると、米油は大豆油やごま油より少なく、オリーブ油よりは多いという位置です2。亜麻仁油は米油の倍以上を含み、加熱には向きません。

ただし、熱に弱い脂肪酸が少なければ必ず加熱に強い、というほど単純ではありません。加熱の温度や時間、油の精製のしかたでも変わります。

「圧搾」は選ぶ基準になる?

米油のつくり方は、大きく分けると圧搾と溶剤抽出があります。

圧搾は、米ぬかを物理的に搾って油を取り出す方法です。

一方、一般的な米油では、米ぬかから効率よく油を取り出すために溶剤を使って抽出し、その後に精製する工程が使われます5。

違いは、下の図を見ると分かります。

米油の圧搾と溶剤抽出の製造工程を比較した図

製法まで気にして選ぶなら、商品表示やメーカー情報で、圧搾か抽出かを確認できます。

米油をどう見るか

米油は、脂肪酸だけで突出した油ではありません。

一方で、国産原料の商品が多いこと、米ぬか由来の成分を含むこと、クセが少なく加熱調理に使いやすいことが重なり、日常使いの油として評価されています。

オリーブ油のように研究実績が強い油、なたね油のように脂肪酸構成に特徴がある油とは、強みの場所が違います。

米油は、「毎日使いやすいこと」と「原料・成分まで見て選びやすいこと」が特徴の油です。

参考文献・参考資料

  1. 農林水産省「日本農林規格 食用植物油脂」JAS 0523:2024 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-386.pdf
    3.9 食用こめ油を「こめぬかから採取した油であって、食用に適するよう処理したもの」と定義
  2. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 脂肪酸成分表編」第3表 脂質1g当たりの脂肪酸成分表 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
    米ぬか油はオレイン酸391mg・リノール酸321mg・α-リノレン酸12mg/脂質1g。多価不飽和脂肪酸の割合は亜麻仁油71.2%、大豆油55.8%、ごま油41.2%、米油33.3%、オリーブ油7.2%
  3. 農林水産省「米ぬかとこめ油」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/04/functio_nality_07.html
    γ-オリザノール・植物ステロール・トコトリエノールの記述。ヒト試験の結果としてではなく、成分の説明として書かれている。トコトリエノールの抗酸化力については「といわれる」と伝聞の形で書かれている
  4. Park S-y, Kim Y, Park MJ, Kim JY. Rice Bran Consumption Improves Lipid Profiles: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Nutrients. 2024. PMC11723186
    11のランダム化比較試験・572人。評価しているのは血中脂質で、心筋梗塞や脳卒中などの発症は見ていない
  5. 一般社団法人 日本植物油協会「用語集」搾油・圧搾・抽出の項 https://www.oil.or.jp/yougo/
    圧搾は油分を多く含む原料に行う工程だが、圧搾後の原料にはまだ多くの油分が残るため、さらに溶剤抽出で採取する、としている

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