ビタミンDを、食べる以外からも足す

ビタミンD|成人男性 77% 目安量9.0µgに対して、平均6.9µg 目安量

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ビタミンDの目安量は18歳以上で9.0µg/日、日本人の摂取量は20歳以上の平均で男性6.9µg、女性6.2µgです12。

男性で77%、女性で69%。足りていません。

そしてこの栄養素には、他にない事情があります。食べる以外の入口があります。食事摂取基準の表そのものに、こう注記されています。

日照により皮膚でビタミンDが産生されることを踏まえ、フレイル予防を図る者はもとより、全年齢区分を通じて、日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心掛けるとともに、ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である2

どれだけ足りていないか

ビタミンDの目安量9.0µgに対し、20歳以上の摂取量は男性6.9µg、女性6.2µg、20代はさらに低い
目安量と、実際の摂取量の平均値12。
ビタミンDの目安量(µg/日)と、実際の摂取量
男性 女性
目安量(18歳以上) 9.0 9.0
実際(20歳以上の平均) 6.9 6.2
実際(20〜29歳) 4.7 4.3
実際(70〜79歳) 8.1 7.8
耐容上限量(18歳以上) 100

年齢が上がるほど、摂取量も上がっています。20代で4.7µgだったものが、70代では8.1µg。魚を食べる量の差です。

なお目安量は2020年版の8.5µg/日から9.0µg/日に引き上げられました2。基準のほうが上がったぶん、差は広がっています。

この栄養素は、血液で確かめられる

栄養素には、血液の数値で足りているかが分かるものと、分からないものがあります。

ビタミンDは分かる側です。血中の25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)濃度で評価され、学会の判定指針があります。カルシウムのように骨から補われて血中の値が動かない、という構造にはなっていません。

つまり、気になるなら測れます。この記事の数字は集団の平均で、自分がどこにいるかは別に確かめられる、ということです。

入口は、魚に集中している

日本食品標準成分表(八訂)増補版の値です。可食部100gあたり3。

ビタミンDの含有量(µg/100g)
食品 100gあたり 1回分のめやす
しらす干し(半乾燥品) 61.0 大さじ1(5g)で3.1µg
まいわし 丸干し 50.0 1尾30gで15.0µg
べにざけ(生) 33.0 1切れ80gで26.4µg
まいわし(生) 32.0 1尾60gで19.2µg
うなぎ かば焼 19.0 1/2尾50gで9.5µg
乾しいたけ(乾) 17.0 2枚6gで1.0µg
さんま(皮つき、生) 16.0 1尾100gで16.0µg
きくらげ(乾) 85.0 乾2gで1.7µg
鶏卵(全卵、生) 3.8 1個50gで1.9µg

魚の切り身1切れで、1日分を超えます。べにざけ80gで26.4µg、目安量9.0µgの約3倍です。

一方、きのこは含有量が高くても、食べる量が少ないので届きません。乾しいたけ100gあたり17.0µgでも、2枚では1.0µgです。

この栄養素は、食品の選び方で桁が変わります。魚を食べない週は、ほぼ入ってきません。

日光の扱い

食事摂取基準は、目安量の表に直接こう注記しています。ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である2。

他の栄養素の表に、こういう注記はありません。食べた量だけでは決まらない、と基準そのものが書いているのは、この栄養素だけです。

ここで、もう1つの記事とつながります。日焼け止めについては、紫外線が皮膚がんと日焼けを起こすことが確立していて、FDAも「使用を控えるべきことを示すものではない」と書いています。

2つは矛盾しません。基準が書いているのは「可能な範囲内での適度な日光浴」で、日焼け止めをやめることではありません。

上限は、サプリメントでのみ届く

耐容上限量は18歳以上で100µg/日です2。

食事から届くかを計算すると、べにざけなら1日300g。毎日は現実的ではありません。

届くのはサプリメントです。そして、この栄養素は脂溶性で、体に蓄えられます。同じ脂溶性のビタミンAでも、過剰摂取による健康障害が報告されているのはサプリメントを大量に摂った場合と動物の肝臓を大量に摂った場合とされています。

足すかどうかの前に、足りているかどうか。この栄養素は血液で確かめられるので、順番を守りやすいほうです。

検査結果の「不足」欄にビタミンDが出たら

集団としては足りていません。特に20代です。個人の結果は、血中25(OH)Dで確かめられます。

RESONA-LABの結果報告書は、ビタミンDの「解毒への関与」として「免疫細胞を活性化し、炎症コントロールを支援」と記しています4。

免疫との関係については研究が続いている領域です。ただし「免疫力」という一つの数値は医療の中に存在しません。足りない分を埋める理由は、骨とカルシウムの吸収という、もっとはっきりした側にあります。

今日できること

この1週間で、魚を何回食べたかを数える。

0回か1回なら、この栄養素はほぼ入ってきていません。切り身1切れで1日分を超えるので、週に2回で目安量に届く計算になります。

そしてカルシウムも日本人は推奨量の3分の2程度しか摂れていません。この2つは、一緒に見る組み合わせです。片方だけ増やしても、吸収の側が足りなければ働きません。

参考文献・参考資料

  1. 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」表3・表4 栄養素等摂取量 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
  2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ビタミン(脂溶性ビタミン)ビタミンDの食事摂取基準 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316466.pdf
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補版」本表 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html 1回分のめやすは、成分表の値から計算したものです。
  4. RESONA-LAB 検査結果報告書(人用・試供品サンプル)の記載による https://resona-lab.com/humans

本記事は公的資料の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。特定の食品・製品・サプリメントの効果を示すものでも、摂取を勧めるものでもありません。腎臓の疾患で治療中の方、カルシウム代謝に関わる薬やビタミンD製剤を使用中の方は、個別の指示が優先されます。

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