オリーブオイルとは?特徴・健康面・使い方

「エキストラバージン」の出どころ JASの等級 2つだけ エキストラバージン 国際規格 日本の規格にこの等級は無い。国際オリーブ理事会の基準

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オリーブオイルは、食用油のなかで健康アウトカムのデータがいちばん厚い油です。ただし「エキストラバージン」という言葉が何を保証しているかは、あまり知られていません。選ぶときに見る場所から整理します。

まず、等級の話から

「エキストラバージン」は、日本の規格には存在しない言葉です。

日本農林規格(JAS)が定めている食用オリーブ油の等級は2つしかありません。「オリーブ油」と「精製オリーブ油」です1。

JASの等級(食用オリーブ油)
区分 一般状態 酸価
オリーブ油 オリーブ特有の香味を有し、おおむね清澄 2.0以下
精製オリーブ油 おおむね清澄で、香味良好 0.60以下

では「エキストラバージン」はどこから来ているかというと、国際オリーブ理事会(IOC)の通商規格です。そこでは、遊離酸度(オレイン酸として100gあたりのグラム数)で区分されています2。

IOCの区分(遊離酸度)
区分 遊離酸度
エキストラバージンオリーブ油 100gあたり0.8g以下
バージンオリーブ油 100gあたり2.0g以下
精製オリーブ油 100gあたり0.3g以下

出典:International Olive Council, Trade Standard 20252

ここで大事なのは、バージンオリーブ油は、機械的な手段だけで搾った油だという点です。熱や溶剤で中身を変える処理をしていません。だから果実に入っていた香り成分やポリフェノールがそのまま残ります。精製オリーブ油の酸度が低いのは品質が上ということではなく、精製の工程で遊離脂肪酸を取り除いているからです。

つまり数字の低さで並べても意味がありません。見るのは「バージンかどうか」です。

脂肪酸は、はっきり偏っている

脂質1gあたりのオレイン酸が73.1%。5種類の食用油のなかで突出しています。米油が39.1%、ごま油が37.3%ですから、倍近い差です。

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 脂肪酸成分表編3

健康アウトカムのデータ

ほかの食用油と決定的に違うのはここです。血液の数値ではなく、病気そのものの発生を数えた大規模試験があります4。

ただし、この試験の読み方には2つ条件があります。

1つめ。調べられたのは「EVOOという油」ではなく、「EVOOを足した地中海食」です。野菜、豆、魚、ナッツを含む食事全体が介入の中身でした。油だけを取り出した効果ではありません。

2つめ。対象は心血管リスクの高い55〜80歳でした。もともとリスクが低い人に同じ数字が当てはまるとは限りません。

それでも、食用油でここまでのデータを持つものは、現時点でほかにありません。「いちばん厚い」というのは、そういう意味です。

加熱してよいのか

「EVOOは加熱に向かない」とよく言われます。脂肪酸の組成から見ると、これは逆です。

熱に弱い多価不飽和脂肪酸の割合は、オリーブ油が7.2%。米油33.3%、ごま油41.2%、亜麻仁油71.2%と比べて、5種類のなかでいちばん少ない油です3。酸化のしやすさという点では、むしろ加熱向きの側にいます。

混同されているのは、別の2つの話です。

「加熱に向かない」と言われるときの2つの話
話 中身
酸化しやすいか 多価不飽和脂肪酸が7.2%と少ない。酸化しにくい側
風味と成分が残るか 高温では香りとポリフェノールが飛ぶ。高いEVOOを揚げ物に使うのは、その分が無駄になる

つまり「体に悪くなるから加熱するな」ではなく、「もったいないから生で使うほうが活きる」という話です。炒め物に使って差し支えはありません。

選ぶときに見る場所

ラベルで見るところ
見るもの なぜ
「エキストラバージン」の表示 機械的に搾っただけの油かどうか。精製オリーブ油とは中身が違う
遮光された容器 光で傷む。透明な瓶のまま棚に置かない
使う量と容量が合っているか 開けてからは空気に触れ続ける。使い切れる大きさを選ぶ

ひとつ注意があります。日本のJASには「エキストラバージン」の等級がないため、この表示は国内の公的基準で担保されたものではありません1。IOCの基準に沿った輸入品かどうかは、商品ごとに確かめるしかないのが実情です。

どう使えばいいか

データのいちばん厚い油なので、使う量を増やしたいなら生食から始めるのが現実的です。サラダ、スープの仕上げ、パン。香りが立つ使い方のほうが、量も自然に増えます。

そして忘れないほうがいいのは、PREDIMEDが調べたのが食事全体だったということです。油を1本替えるより、何の代わりに使うかのほうが先に効きます。

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参考文献・参考資料

  1. 農林水産省「日本農林規格 食用植物油脂」JAS 0523:2024(3.11 食用オリーブ油、表11 食用オリーブ油の等級ごとの品質基準) https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-386.pdf
  2. International Olive Council. Trade Standard Applying to Olive Oils and Olive Pomace Oils(COI/T.15/NC No 3/Rev. 21, 2025) TRADE-STANDARD-REV-21
    遊離酸度はオレイン酸として100g当たりのグラム数で表す。バージンオリーブ油は、果実から機械的または物理的な手段のみで得られた油と定義されている
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 脂肪酸成分表編」第3表 脂質1g当たりの脂肪酸成分表。mg/g脂質を%に換算 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
  4. Estruch R, et al. Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts. N Engl J Med. 2018;378(25):e34. PubMed 29897866(2013年版は手順の逸脱により撤回、再解析のうえ再出版)

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