カリウムの2つの基準を、どう使い分けるか

カリウム|成人男性 79 % 目標量3,000mgに対して、平均2,370mg 目標量

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カリウムには2つの基準があります。目安量と、目標量です。

目安量は18歳以上で男性2,500mg、女性2,000mg。目標量は男性3,000mg以上、女性2,600mg以上1。

日本人の摂取量は20歳以上の平均で男性2,370mg、女性2,190mg2。目安量は女性のみ超え、目標量は男女とも届いていません。

目安量と目標量は、別の問いに答えている

この栄養素をややこしくしているのは、基準が2つあることです。

2つの基準(18歳以上、mg/日)
男性 女性 何のための値か
目安量 2,500 2,000 不足しないための量
目標量 3,000以上 2,600以上 生活習慣病の発症予防のための量
実際(20歳以上の平均) 2,370 2,190 —
カリウムの目標量に対し、男性は3000mgに対し2370mg、女性は2600mgに対し2190mg
目標量と、20歳以上の摂取量の平均値12。

「足りているか」の答えは、どちらの基準で見るかで変わります。女性は目安量(2,000mg)は超えていますが、目標量(2,600mg)には届いていません。

これは検査ごとに答えている問いが違うのと同じ構造です。数字だけを見て「足りている/いない」と言えません。

ナトリウムと一緒に見る

カリウムの目標量が置かれている理由は、ナトリウムとの関係にあります。

カリウムはナトリウムの排出を助けます。そして日本人のナトリウム(食塩相当量)の摂取量は、目標量を大きく超えています。男性10.7g(目標量7.5g未満)、女性9.1g(同6.5g未満)。

2つを並べると
目標量に対して
ナトリウム(食塩相当量) 男性143%、女性140% 超えている
カリウム 男性79%、女性84% 届いていない

方向が逆です。片方は減らす側、もう片方は増やす側。

そしてこの2つを扱っているのは、どちらも腎臓です。RESONA-LABの結果報告書も、カリウムの「解毒への関与」を「ナトリウム排出を助け、腎臓の負担を軽減」としています4。

血液の値は、摂取量を表していない

カリウムは、血液で足りているかが分からない側です。

血中カリウム濃度は、体が厳しく調節しています。血液の値は、調節の結果であって、摂取量ではありません。

ナトリウムについては、食事摂取基準が24時間尿からの推定という方法を挙げています。カリウムも同様に、血液ではなく尿の側から見る栄養素です。

どの食品に、どれだけ入っているか

日本食品標準成分表(八訂)増補版の値です。可食部100gあたり3。

カリウムの含有量(mg/100g)
食品 100gあたり 1回分のめやす
ほしひじき(乾) 6,400 乾10gで640mg
乾しいたけ(乾) 2,200 2枚6gで132mg
大豆(国産、乾) 1,700 —
アーモンド(乾) 760 10粒15gで114mg
らっかせい(乾) 740 20粒20gで148mg
ほうれんそう(生) 690 1食70gで483mg
糸引き納豆 660 1パック45gで297mg
アボカド(生) 590 1/2個70gで413mg
えだまめ(生) 590 1食50gで295mg
さつまいも(皮なし、生) 480 1本200gで960mg
ブロッコリー(生) 460 1食70gで322mg
じゃがいも(皮なし、生) 410 1個100gで410mg
バナナ(生) 360 1本100gで360mg

いも類が効きます。含有量では上位ではありませんが、1回に食べる量が大きいためです。さつまいも1本で960mg、目標量の3分の1が入ります。

100gあたりの数字と、実際に摂れる量は別という話は、ここでもそのまま当てはまります。

茹でると減る

1つ、注意点があります。カリウムは水に溶けます。

腎臓病の食事療法で「茹でこぼす」という手順があるのは、この性質を使ってカリウムを減らすためです。ヒジキの無機ヒ素がゆでこぼしで9割減るのと、同じ原理です。

ただし方向が逆です。健康な人が目標量に届いていない状況では、減らす工程は不利に働きます。生で食べられるもの、煮汁ごと食べられるものを選ぶほうが、この栄養素については理にかなっています。

腎臓の機能が低下している場合は、別の話

はっきり書いておきます。この記事は、腎臓の機能が保たれている人についての話です。

腎臓の機能が低下すると、カリウムが排泄されにくくなります。そのため制限が指示されることがあります。その場合、この記事の数字は当てはまりません。個別の指示が優先されます。

今日できること

いも類か、葉の野菜を1品。さつまいも1本で960mg、ほうれんそう1食で483mg、じゃがいも1個で410mg。

足りない分(男性で約630mg、女性で約410mg)は、1品で埋まります。

そしてもう一方の、減らす側も一緒に見ると、方向が決まります。増やすのはカリウム、減らすのは食塩です。

参考文献・参考資料

  1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ミネラル(多量ミネラル)カリウムの食事摂取基準 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316468.pdf
  2. 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」表3・表4 栄養素等摂取量 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補版」本表 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html 1回分のめやすは、成分表の値から計算したものです。
  4. RESONA-LAB 検査結果報告書(人用・試供品サンプル)の記載による https://resona-lab.com/humans

本記事は公的資料の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。特定の食品・製品・サプリメントの効果を示すものでも、摂取を勧めるものでもありません。腎臓の機能が低下している方、カリウムに影響する薬を使用中の方は、この記事の内容は当てはまりません。個別の指示が優先されます。

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