減塩を、どこから始めれば効くか

食塩相当量|成人男性 143 % 目標量7.5g未満に対して、平均10.7g 目標量

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ナトリウムは、検査が測る12の栄養素のうち唯一、減らす側にあるものです。

目標量は18歳以上で男性7.5g未満、女性6.5g未満(食塩相当量)。日本人の摂取量は20歳以上の平均で男性10.7g、女性9.1gです12。

目標量の143%と140%。他の11の栄養素が足りない側にあるなかで、ここだけ方向が逆です。

3つの線がある

この栄養素には、性質の違う数字が3つ置かれています。

ナトリウムの基準(18歳以上、食塩相当量 g/日)
男性 女性 何のための値か
推定平均必要量 1.5 1.5 不足しないための量
目標量 7.5未満 6.5未満 生活習慣病の発症予防
重症化予防のための量 6.0未満 高血圧およびCKDの重症化予防
実際(20歳以上の平均) 10.7 9.1 —
食塩相当量の目標量に対し、男性は7.5g未満に対し10.7g、女性は6.5g未満に対し9.1gで超えている
目標量と、20歳以上の摂取量の平均値12。

必要量は1.5g、目標量は7.5g未満、実際は10.7g。必要量の7倍を摂っていることになります。

この差を見ると、「足りているか」ではなく「どこまで減らせるか」の話だと分かります。

もう1つの線、6.0g未満

表の脚注に、こう書かれています。

高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量の量は、男女とも6.0g/日未満とした1

目標量(7.5g/6.5g未満)とは別の、もう1段低い線です。対象が違います。目標量は一般の集団の発症予防、6.0gは既に高血圧やCKDがある人の重症化予防。

同じ物質に複数の線があるとき、どの線が自分に当てはまるかを先に決める必要があります。

血液では分からない。尿から推定する

ナトリウムは、血液で摂取量が分からない側です。血中濃度は体が厳しく調節しているためです。

食事摂取基準は、別の方法を挙げています。24時間尿中ナトリウム排泄量からナトリウム摂取量を推定することができる1。

入ってきた量ではなく、出ていった量から逆算する。この媒体で何度か出てきた形です。ブロッコリースプラウトの試験が尿中の代謝物を測っているのも、同じ考え方です。

どこから入っているか

ナトリウムは、他の栄養素と違って「どの食品に多いか」では話が済みません。調味料と加工の過程で入るためです。

食事摂取基準は、日本人の食塩摂取の主な供給源として、しょうゆ・みそ・食塩といった調味料と、漬物・魚介加工品などを挙げています。

そして加工食品の表示を見ると、栄養成分表示に食塩相当量が必ず記載されています。これは食品表示基準で義務づけられた5項目(熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量)の1つです。

その欄をどこで見つけて、どう使うかは、消費者庁の動画で確かめられます。


つまり、この栄養素だけは製品ごとの数字が表示されています。12のうち、買う前に量が分かる唯一の項目です。

減らすと、他のものも動く

1つ注意点があります。加工食品を減らすと、食塩以外のものも同時に動きます。

そしてカリウムは、ナトリウムの排出を助けます。日本人はそちらが目標量に届いていません。

2つを並べると、方向が決まる
目標量に対して 方向
ナトリウム(食塩相当量) 男性143%、女性140% 減らす
カリウム 男性79%、女性84% 増やす

いも類・葉の野菜・豆を増やし、調味料と加工食品を減らす。2つの基準が、同じ方向を指しています。

検査結果の「不足」欄にナトリウムが出たら

ここは、他の11の栄養素と読み方が変わります。

日本人の集団としては、不足ではなく過剰の側にあります。必要量1.5gに対して10.7g。

RESONA-LABの結果報告書は、ナトリウムについて「水分代謝を調整し、腎臓の働きを支える」とし、医師コメントとして「過不足どちらも注意が必要な栄養素です」と記しています4。

報告書自身が、この栄養素だけ両方向に注意を促しています。実際の集団の状況は、過剰の側です。

ただし、大量に汗をかいた場合や、下痢・嘔吐が続いた場合は別です。そうした状況は、この記事の平均の話とは別枠になります。

今日できること

加工食品を1つ手に取って、栄養成分表示の「食塩相当量」を見る。

12の栄養素のうち、買う前に数字が分かるのはこれだけです。カップ麺1個、惣菜1パック、パン1個。1食で何gかを知ると、1日10.7gがどこから来ているかが見えます。

目標量まで減らすには、男性で3.2g、女性で2.6g。1食分の差で埋まる幅です。

参考文献・参考資料

  1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ミネラル(多量ミネラル)ナトリウムの食事摂取基準 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316468.pdf
  2. 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」表3・表4 栄養素等摂取量 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
  3. 消費者庁「食品表示基準」栄養成分表示。熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目が義務表示 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/
  4. RESONA-LAB 検査結果報告書(人用・試供品サンプル)の記載による https://resona-lab.com/humans

本記事は公的資料の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。特定の食品・製品の摂取を勧めるものでも、避けるよう勧めるものでもありません。高血圧・腎臓の疾患で治療中の方、減塩食の指示を受けている方、大量に発汗する環境にいる方は、個別の指示が優先されます。

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