亜鉛が足りているかを、確かめる方法がある

亜鉛|成人男性 95% 推奨量9.5mgに対して、平均9.0mg 推奨量

執筆者:

カテゴリ:

亜鉛は、日本人の摂取量が推奨量にほぼ届いている数少ない栄養素です。

推奨量は30〜49歳で男性9.5mg、女性8.0mg。実際は20歳以上の平均で男性9.0mg、女性7.6mg12。男性で95%、女性で95%です。

そして、この栄養素は血液で確かめられる側にあります。血清亜鉛値に診療指針があります。集団の平均ではなく、自分の値を知ることができます。

どのあたりにいるか

亜鉛の推奨量に対し、男性は9.5mgに対し9.0mg、女性は8.0mgに対し7.6mgでほぼ届いている
30〜49歳の推奨量と、20歳以上の摂取量の平均値12。
亜鉛の推奨量(mg/日)と、実際の摂取量
男性 女性
推奨量 18〜29歳 9.0 7.5
推奨量 30〜64歳 9.5 8.0
推奨量 75歳以上 9.0 7.0
実際(20歳以上の平均) 9.0 7.6
実際(20〜29歳) 9.1 7.7
耐容上限量 30〜64歳 45 35

他の栄養素と並べると、位置がはっきりします。

推奨量・目安量に対する充足率(20歳以上の平均)
栄養素 男性 女性
カルシウム 65% 73%
ビタミンD 77% 69%
マグネシウム 69% 81%
ビタミンA 57% 67%
亜鉛 95% 95%

「足りていない」は、栄養素によって全然違います。まとめて心配する必要はありません。

この栄養素は、血液で測れる

栄養素には、血液の数値で足りているかが分かるものと、分からないものがあります。

亜鉛は分かる側です。血清亜鉛値で評価され、診療指針があります。

条件が1つあります。早朝空腹時の採血です。血清亜鉛には日内変動があり、食事の影響も受けるためです。ばらばらの時間に測ると、比べられません。

つまり気になるなら測れます。この記事の数字は集団の平均で、自分がどこにいるかは別に確かめられます。

どの食品に、どれだけ入っているか

日本食品標準成分表(八訂)増補版の値です。可食部100gあたり3。

亜鉛の含有量(mg/100g)
食品 100gあたり 1回分のめやす
かき(養殖、生) 14.0 5個60gで8.4mg
ぶた 肝臓(生) 6.9 50gで3.5mg
ごま(いり) 5.9 大さじ1(9g)で0.5mg
大豆(国産、乾) 3.9 —
アーモンド(乾) 3.6 10粒15gで0.5mg
にわとり 肝臓(生) 3.3 50gで1.7mg
プロセスチーズ 3.2 1切れ20gで0.6mg
カットわかめ(乾) 2.8 乾2gで0.06mg
うなぎ かば焼 2.7 1/2尾50gで1.4mg
糸引き納豆 1.9 1パック45gで0.9mg
鶏卵(全卵、生) 1.1 1個50gで0.6mg

牡蠣が突出しています。5個で8.4mg、1日の推奨量にほぼ届きます。

ただしここに並んでいる食品は、日常的に食べる量が多いものではありません。それでも平均で95%に届いているのは、肉・魚・穀類など、1つあたりの含有量は低くても量を食べるものから積み上がっているためです。

上限は、サプリメントで届く

耐容上限量は30〜64歳で男性45mg、女性35mgです2。

実際の摂取量が9.0mgですから、食事から5倍にしないと届きません。牡蠣を毎日300g食べる計算です。

届くのはサプリメントです。そして亜鉛を多く摂り続けると、銅の吸収が妨げられることが知られています。銅も、検査が測っている12の栄養素の1つです。

「増やすと不利になる場合がある」という項目が、判断の順番に入っているのは、こういう関係があるためです。

検査結果の「不足」欄に亜鉛が出たら

集団としては、ほぼ足りています。そして、この栄養素は測れます。

RESONA-LABの結果報告書は、亜鉛の「解毒への関与」として「有害金属の排出を助ける」と記しています4。

この記述の裏づけになる、人での試験は確認できませんでした。汗中の金属の系統的レビューには、皮膚分泌物で亜鉛とヒ素の比が観察されたという記述がありますが、「亜鉛を増やせば有害金属の排出が増える」と言える手順にはなっていません。

足りているかを確かめる方法があるので、順番は単純です。気になるなら測る。測って足りているなら、この項目で動く必要はありません。

今日できること

この栄養素については、まず「足りていない前提」を疑うことです。集団の平均は推奨量の95%です。

そのうえで、味覚の変化や傷の治りの遅さが続いているなら、「血清亜鉛を測れますか」と聞けます。早朝空腹時という条件がある検査です。

食事で増やすなら、牡蠣・レバー・ごま・ナッツ。マグネシウムの供給源と重なります。1つ足すと複数が動くのは、ここでも同じです。

参考文献・参考資料

  1. 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」表3・表4 栄養素等摂取量 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
  2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ミネラル(微量ミネラル)亜鉛の食事摂取基準 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316469.pdf
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補版」本表 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html 1回分のめやすは、成分表の値から計算したものです。
  4. RESONA-LAB 検査結果報告書(人用・試供品サンプル)の記載による https://resona-lab.com/humans

本記事は公的資料の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。特定の食品・製品・サプリメントの効果を示すものでも、摂取を勧めるものでもありません。亜鉛を含むサプリメントを長期に多量に使用すると、銅の吸収が妨げられることがあります。治療中の方、食事制限を受けている方は、個別の指示が優先されます。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です