葉酸は、集団としては推奨量を上回っています。推奨量240µg/日に対して、20歳以上の平均は男性291µg、女性276µg12。
ただし、この栄養素には集団の平均では読めない部分があります。
妊娠を計画している女性については、通常の食事とは別枠の話になります。妊婦の付加量は、中期・後期で+240µg。初期は+0ですが、この時期については別の考え方が置かれています。
どのあたりにいるか

| 男性 | 女性 | |
|---|---|---|
| 推奨量(18歳以上) | 240 | 240 |
| 実際(20歳以上の平均) | 291 | 276 |
| 実際(20〜29歳) | 240 | 220 |
| 実際(70〜79歳) | 334 | 333 |
| 耐容上限量 18〜29歳 | 900 | 900 |
| 耐容上限量 30〜64歳 | 1,000 | 1,000 |
| 妊婦の付加量(推奨量) | — | 初期+0/中期・後期+240 |
| 授乳婦の付加量(推奨量) | — | +100 |
20代だけは、推奨量ちょうどか、下回っています。男性240µg(ちょうど)、女性220µg(92%)。70代は男女とも333〜334µgです。
そして20代女性は、妊娠を計画する可能性がいちばん高い層です。集団の平均が足りていることと、この層が足りていることは別の話になります。
2つの葉酸がある
この栄養素には、区別が必要な点があります。
| どこにあるか | 上限の対象か | |
|---|---|---|
| 食事性葉酸(ポリグルタミン酸型) | 野菜、豆、レバーなど | 対象ではない |
| 合成葉酸(プテロイルモノグルタミン酸) | サプリメント、強化食品 | 対象。900〜1,000µg |
耐容上限量は、通常の食品以外から摂る合成葉酸に対して設定されています2。マグネシウムの上限が「通常の食品以外から350mg」とされているのと、同じ形です。
吸収率も違います。合成葉酸のほうが、食事性葉酸より効率よく吸収されます。だから同じ数字でも、入ってくる形で意味が変わります。
妊娠を計画しているなら
ここが、この栄養素でいちばん扱いが違う部分です。
食事摂取基準は、妊婦の付加量を初期+0、中期・後期+240µgとしています2。
初期が+0なのは、必要ないという意味ではありません。この時期については、通常の食事からの葉酸とは別に、合成葉酸の摂取が別枠で扱われています。神経管閉鎖障害のリスク低減を目的としたもので、日本では厚生労働省が2000年に通知を出しています。
この記事の範囲を超える話なので、これ以上は書きません。妊娠を計画している場合、集団の平均の数字は判断材料になりません。
血液で測れる。ただし2種類ある
葉酸は、血液で確かめられる側です。ただし条件つきです。
| 何を表しているか | |
|---|---|
| 血清葉酸 | 短期の摂取状況。直近の食事に影響されます |
| 赤血球葉酸 | 中長期の指標。赤血球の寿命ぶん(約120日)をならした値になります |
どちらを測ったかで、答えている問いが違います。前日に野菜を多く食べただけで血清葉酸は上がりますが、赤血球葉酸は動きません。
どの食品に、どれだけ入っているか
日本食品標準成分表(八訂)増補版の値です。可食部100gあたり3。
| 食品 | 100gあたり | 1回分のめやす |
|---|---|---|
| にわとり 肝臓(生) | 1,300 | 50gで650µg |
| ぶた 肝臓(生) | 810 | 50gで405µg |
| えだまめ(生) | 320 | 1食50gで160µg |
| 乾しいたけ(乾) | 270 | 2枚6gで16µg |
| 大豆(国産、乾) | 260 | — |
| ブロッコリー(生) | 220 | 1食70gで154µg |
| ほうれんそう(生) | 210 | 1食70gで147µg |
| アスパラガス(生) | 190 | 3本60gで114µg |
| 糸引き納豆 | 120 | 1パック45gで54µg |
| こまつな(生) | 110 | 1食70gで77µg |
| いちご(生) | 90 | 5粒75gで68µg |
名前のとおり、葉の野菜と豆に多く入っています。ほうれんそう1食で147µg、推奨量240µgの6割です。
そしてレバーはここでも桁が違います。鶏レバー50gで650µg。ただしこちらはビタミンAが7,000µgRAE入っていて、そちらの上限(2,700)を超えます。葉酸のためにレバーを毎日、は成り立ちません。
検査結果の「不足」欄に葉酸が出たら
集団としては足りています。ただし20代は推奨量ちょうどか、下回っています。
RESONA-LABの結果報告書は、葉酸の「解毒への関与」として「肝臓のメチル化反応に関与し、解毒酵素をサポート」と記しています4。
メチル化は、第II相の抱合反応の1つとして実在します。ただし「葉酸を増やせば処理が速くなる」と人で確かめられた手順は見当たりません。
そしてこの栄養素は測れます。集団の話より、自分の値のほうが判断材料になります。
今日できること
葉の野菜か豆を、1食に1品。ほうれんそう1食で147µg、えだまめ50gで160µg、ブロッコリー1食で154µg。1品で推奨量の6割が入ります。
そして妊娠を計画している場合は、この記事の数字では足りません。別枠の話になります。
参考文献・参考資料
- 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」表3・表4 栄養素等摂取量 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ビタミン(水溶性ビタミン)葉酸の食事摂取基準 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316467.pdf
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補版」本表 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html 1回分のめやすは、成分表の値から計算したものです。
- RESONA-LAB 検査結果報告書(人用・試供品サンプル)の記載による https://resona-lab.com/humans
本記事は公的資料の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。特定の食品・製品・サプリメントの効果を示すものでも、摂取を勧めるものでもありません。妊娠中・妊娠を計画している方の葉酸の摂取については、この記事の範囲外です。個別の指示が優先されます。

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