検査結果を受け取ったら、まず何から手をつけるか

レポートの4つの欄 何が溜まっているか 欄の前半 出す力があるか 欄の後半 別々の採点ではなく、1つの問いに答えている

執筆者:

カテゴリ:

レポートは4つの欄に分かれていますが、答えている問いは1つです。報告書の最後に、こう書かれています。

検査で測るビタミン・ミネラルは、排出経路の鍵を握る栄養素。つまり、「何が溜まっているか」だけでなく、出す力(排出力)が足りているかまでわかります。1

入ってくるものと、出す力。4つの欄は、この2つを別々の角度から見たものです。だから「不足栄養素」と「解毒機能」は、別々の採点ではありません。

入ってくるものと、処理して出す力の両方で体に残る量が決まることを示す図
同じものを同じだけ食べても、体に残る量は人によって変わります。入れた量だけを数えても、いま自分の中にどれだけあるかは決まりません。

欄ごとに、どこまで数字があるか

4つの欄は、公的な基準や調査がどこまで存在するかが、それぞれ違います。同じ「該当あり」でも、次に何ができるかが変わります。

欄ごとの、外にある数字
欄 外にある公的な数字
食品不耐性(消化難) 診療ガイドラインは完全除去を回避することを推奨度1で示している
体内蓄積(重金属) 魚種ごとの摂食目安、水質基準、耐容週間摂取量。水銀は体内の量が半分になるまで約2ヶ月
体内蓄積(添加物) 一日摂取許容量。日本人の実際の摂取量は、最も高いものでその17.2%
体内蓄積(プラスチック) ない。報告書の欄も「準備中・・・」
解毒機能 生理学として経路が確立。胆汁が重金属の主要排泄経路
不足ビタミン・ミネラル 食事摂取基準。ただし血液で確かめられるものと、できないものがある

欄ごとの詳しい記事は、この記事の最後にまとめています。

並べると、プラスチックの欄だけが空いていることが見えます。これは体の側ではなく、測る技術の側の話です。

解毒機能は、3つに分かれている

解毒機能の欄には、総合評価のほかに腸・肝臓・腎臓それぞれのA〜Eがあります1。3つが同じとは限りません。

この3つは、担当している出口が違います。腎臓は尿、腸は便。そして肝臓は、尿から出せないものを胆汁に乗せて腸へ送り出す側です。

だから順番があります。肝臓が送り出しても、腸の通過が滞っていれば出ていきません。3つの評価が違うときは、出口に近いほうから見ます。

「不足」の欄は、出す力の欄でもある

報告書は、各栄養素について「解毒への関与」という欄を設けています1。12の栄養素すべてにあります。

つまり不足の欄と解毒機能の欄は、同じものの両側です。処理して外へ出す反応には材料が要る。その材料が、測っている栄養素だということです。

反応の中身は物質名まで分かっています。第I相はシトクロムP450による酸化、第II相でグルクロン酸や硫酸、アミノ酸をくっつけて水に溶ける形にする。特別な物質は一つも出てきません。糖とアミノ酸です。

だから「不足」の欄は、12個を1つずつ埋めるものではありません。重なっている供給源を先に置くほうが早く届きます。

報告書の「やること」を、数字に置き換える

報告書には、欄ごとに「〜する方法」が書かれています。どれも方向だけで、数字はありません。その数字がどこにあるかを並べます。

報告書の記述と、対応する数字
報告書の記述 数字がある場所
不足栄養素を補う 血液で線が引けるのはビタミンD・亜鉛・鉄・葉酸。カルシウムとマグネシウムは食品の側から
不耐性食品を避けた食生活 全部やめない。1品目ずつ、やめて戻す。期限を先に決める
蓄積が多いモノを避ける 入口は9種それぞれ違います。歯科金属、装身具、たばこ、缶、魚、水道
水分をしっかり摂る 日本に水の目安量はない。見るのは渇きと尿の色。そして蛇口の最初の5分
適度な運動で汗をかく 汗中の濃度は報告されている。ただし出どころが血液と皮膚の2つあり、分けられない
肝機能を高める食事 上流だけ速めると中間代謝物が溜まります。出口が先です。人での試験があるものは限られます

最後の2つは、はっきりさせておく価値があります。「汗で出す」と「肝機能を高める」は、方向としては挙げられていますが、どちらも人で確かめられた手順があるわけではありません。

入口は、今日その場で数えられる

結果を受け取ったあとに、いちばん早く動くのは蓄積の欄です。入口が分かっているからです。

報告書の説明ページには、10の入口が挙げられています。水道水、大型の魚、化粧品・日焼け止め、プラスチック容器、缶、加工食品、撥水加工の生活用品、歯の治療、医療処置、喫煙1。

このうち、思い出すのではなく、今日その場で確認できるものがあります。

いま確認できる入口
確認すること どこを見るか
口の中に金属があるか 鏡。保険診療の銀歯は金12%・パラジウム20%・銀40%以上の合金
肌に当たり続けている金属があるか 眼鏡フレーム、腕時計、バックル、ピアス
缶の飲料を毎日飲むか この1週間の本数。公的に書かれているのは「毎食缶詰を中心にしない」まで
大型の魚を週に何回食べるか 妊娠中は魚種ごとに目安があります。それ以外の人への制限はありません
たばこを吸うか この1週間の本数。1本1.8〜2.8µg。吸入は肝臓を通らない
日焼け止めが散乱剤か吸収剤か 成分表示。血中に出ることが測られているのは吸収剤のほう

そして変えたら、2ヶ月です。厚生労働省が水銀について書いている体内半減期がその長さで、1週間で見ようとすると何も起きていないように見えます。

ただしこの速さは物質によって100倍以上違います。カドミウムは腎皮質での半減期が20〜50年です。すでに溜まった分より、これから入る量のほうが動かせます。

症状の一覧が当てはまったとき、どう受け取るか

報告書には、欄ごとに「〜が悪いと?」「不足すると」という症状の一覧が添えられています。疲労感、集中力の低下、肌荒れ、眠気。

これらは、一般の人の9割が週に何個か経験している症状です。調査では、過去7日間に症状がまったくなかった人は10.6%、経験した数の中央値は5個でした。

実際、報告書の4つの欄は、ほとんど同じ症状を挙げています。1つの欄に当てはまったのではなく、4つ全部に当てはまります。だから当てはまったことからは、どの欄が該当するかは決まりません。

決まるのは、上の入口の表のほうです。口の中に金属があるかどうかは、当てはまる・当てはまらないではなく、あるかないかです。

項目ごとに、詳しく

入口と出口の全体像は、入ってくるものと、出す力にまとめています。

安全のための補足

服用中の薬を、自分の判断で減らしたりやめたりしないでください。中止したときに何が起きるかまで含めて、処方した側が判断するものです。

症状が続いている、悪化している、日常生活に支障が出ている。そういうときは、この結果を読んでいる場合ではありません。体重が意図せず減っている、発熱が続いているときも同じです。検査の結果より、いま起きていることのほうが先です。

そして自己判断の「排出」は行わないでください。金属を出す薬は中毒と診断がついた場合の治療薬で、診断のないまま使われて死亡した例が報告されています。

今日、決めること

4つの欄を同時に動かそうとすると、どれも中途半端になります。今月変えるものを、1つだけ選びます。

欄ごとの、最初の1つ
気になった欄 今月の1つ
食品不耐性 印の付いた中から1〜2品目だけ外して、2週間後に戻す
体内蓄積 入口の表から、自分に当てはまるものを1つ閉じる
解毒機能 腸・肝臓・腎臓のうち低かった1つを1週間記録する
不足栄養素 重なっている供給源を先に置く。12個を1つずつ埋めない

どれを選んでも構いません。選ばないことだけが、何も変わらない選択です。

そして結果は、いまの状態の記録です。水銀なら体内の量が半分になるまで約2ヶ月。今月変えたことは、来月以降の数字の側にあります。

参考文献・参考資料

  1. RESONA-LAB 検査結果報告書(人用・試供品サンプル)の記載による。報告書の見本は公式サイトで公開されています https://resona-lab.com/humans

本記事は検査結果報告書の記載事項の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。検査は疾病の診断や治療を目的とするものではなく、健康管理の参考情報を提供するものです。特定の製品・サプリメントの効果を示すものでも、使用を勧めるものでもありません。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です